おそらく、2日前の時ならぬ無常の暴風雨により、今冬貴重な雪がさらに解けてしまったことで、この日の吹雪は「恵みの雪」と感じてしまったのが、「ほんとに行くの?」の言葉を誰も言い出せなかった理由でしょう。 降るわ振るわ、みるみる増す積雪は、スキーに最高と思いながら登ります。実際、雨の後のカリカリだけでは楽しくなかったことは確かです。でも、上部の激風の中ではそうそう喜んでもいられません。 頂上下の急斜面でいったん明るくなって期待したものの、それもつかの間吹雪きに戻り、稜線はエッジの立たないスキーをあきらめツボで難を脱したところも。頂上では着くなりシールを外し即効下山、立っていられるところまで降りました。 やれやれと思った最後のオチは、番屋裏の垂直壁。殿方4人はスキーでしたが、いちおうの姫2人は命が大事とツボで降りるも、蹴り込み浅くまっ逆さま。頭が下ではないので逆さまではありませんが、下手に止めたら骨折すると思い、長座のままの尻滑り。本日最高の恐怖でした。最後まで気を抜く無かれ北浜岳。(高木ゆかり)